~マキタと充電全ねじカッタ・前回までのあらすじ~

充電工具のトップメーカーでありながら、全ねじカッタをなんと10年近く更新していなかったマキタ!ところが10年の間に、18Vバッテリーの登場や、ブラシレスモータの普及などさまざまな技術が発達していた…。そんな中、昨年ようやく完成した新作は…なんと14.4V/18V兼用だった!?

…というわけですね。SC102Dが出た時のリンクはこちら。

そうなんです。今度、マキタの10.8V版全ねじカッターが出るのですよ。

全ねじカッタ自体がマイナーめな機械ですのでねーーー。

更新遅いのは仕方ない、という印象でしたし、昨年出たSC102Dはそれもあってか1台で14.4Vユーザー・18Vユーザーどちらにも応えられる例外的な作りになっています。マックスやパナはもともとバッテリに互換性がありますが、マキタはこのSC102以降そういう商品見かけないので、こりゃ特別措置だったのかなーと。(…そしてマキタ、この型でまた10年持たせるつもりだな…?と私は思った……)

なので今回まさか10.8V版が出るとは思わなかったですね、14.4Vと18V版を分けることすら節約してるのに…!というわけで今回は10年ぶりの大幅リニューアルだったSC102の「10.8V版」になります!

102との違いを特徴としてまとめるとするならば…

①安い!!

本体のみの価格はSC102103共にほとんど変わらないのですが、価格の大部分を占めるのはバッテリーのため、定価の差額は2万円以上です!

お手持ちバッテリーに合わせていただくのが最良ですが、イチから揃える場合はSC103もオススメ。10.8Vバッテリ電動工具のラインナップには、上向き作業品が多く含まれるほか、大ヒットクリーナCL107など仕事内容問わず広く使えるものも多くありますので、使いまわしができず無駄にバッテリをそろえてしまった、なんてことにはならない!と思う!

②軽い!!

これ、本命ポイント!BL1860を使用するSC102は3.2kg。SC103は2.8kg。この差なんと400g!!

上向き切断がメインの場合、めちゃくちゃ響いてくる重さです。上向き作業にはなんならSC102よりも向いているといえます。SC102は、バッテリアダプタBAP18と組み合わせて軽さを減じるという方法がありますが、それだってもとより軽いに越したことはないですからね。(ちなみにSC103BAP18は使えません。10.8Vなんで)特徴である「最小切断20mm」をアピールしていることとも合わせると、とにかく上向き運用向き!

また、本機の寸法に関しても SC102:長さ199mm×幅103mm×高さ308mm SC103:長さ180mm×幅107mm×高さ289mm と若干の違いが出ています。天井特化でいうとパナソニックのEZ45A8が強いのでそれの対抗馬かなぁ…


これらの特徴はまるまる10.8Vシリーズの特徴でもあります。天井向きの商品は10.8Vシリーズのほうが強かったりするもんなぁ。また改めてチェックしていただけたらうれしいです。

では…なにかグレードダウンしているところはないのか?というところを見ていかなきゃいけませんね。ですが、今回の商品…ほんとに能力は、18V/14.4V版であるSC102とそん色がないんです。

中身ほとんど一緒。や、これすごいことですよ。バッテリのグレードが落ちているのに、中身ほとんどいっしょ。

最大切断能力が、W3/8ならステンレスまで。M10なら軟鋼まで。…っていうのも一緒!

最小切断長さが20mmも一緒!

モーター部の全長177mmっていうコンパクトっぷりも一緒!

あとは刃物も同じの使ってるからやたら寿命が長いのも一緒だし、刃カバーで定置切断できるのも一緒だし、重心バランスとか「可動刃全開位置停止機構」とか搭載されてる機能も一緒。

めっちゃ一緒!!

また、全ねじカッタというものの特性上、ほかの商品と比べて使用感の違いもそんなに気にならないかと。一応見た目はちょっと違って、103のほうがずんぐりしてるかな?ただ機体の寸法合計は103の方が小さいですね。

バッテリのグレードを落としたことによる影響があるところは「1充電あたりの作業量」です。

W3/8の軟鋼全ねじ SUS400 を切断すると仮定して…SC102D(バッテリBL1860B)なら約1600本。SC103D(バッテリBL1040B)なら約700本。「1充電あたり」で計算すると倍以上の違いが出てきます。

まぁちょっと本数こころもとないのは分かっておりますとも!

今回セットはバッテリ「2個セット」なので、実際ご新規でこの商品を買って運用できる本数で言うと、フル充電2個分あたり=つまり二倍=「1400本」になるんですよねー。余裕があるとは言いづらいけど、運用次第では十分かなぁと。

ショッピングモールのような大量に切らなければいけない現場はSC102がオススメですが…それ以外の場合はSC103でも、というかんじでしょうか。

なのでこう見ると、103の方が優れている点、というのもあるんですよねー。ぜひ!いまの現場にぴったりくる方を選んでいただければと思います。

さて!SC102発売時点で、10年ぶりの新装開店だったこともあり、全ねじカッタの替刃などの部品も総リニューアルされており、これらはSC103とも共用です。最新の替刃ということで、寿命が長く切り口もシャープでかなり良い感じ。インチネジ用、ミリネジ用、ネジ径もいろいろに揃っております。SC102発売時点では発売が間に合わなかった「W5/16用 二分五厘・軟鋼用」の刃も今回新しく入ってますので要チェックをば。替刃は、製品ページの商品選択タブの候補として入っております。肩掛けストラップなんかも合わせてご購入ください!

マキタ 充電式全ねじカッタ SC103D

ではでは~!!!!!